あくびをしよう!

ジャイロトニック及びジャイロキネシスメソッド考案者のジュリウ・ホーヴァス氏は長年、あくびをすること、また「あくびをしたときのように隅々まで大きく開いていくような感覚で動く」ことを奨励してきました。伸びやかに気持ち良さそうに動きながら『ヨーン…』とか『…ライクヨーニング』と言ってるのを特にトレーナーの方でしたら耳にしたことがあるかと想います。そしてホーヴァス氏曰く、あくびをすることは「最適で理想的な動作」ということで、あくびという単純な動作が身体と心と精神に及ぼす絶大な効果について科学的見地からアンドリュー・ニューバーグ医学博士によって書かれた大変興味深い記事がジャイロトニック本部から紹介されていました。(全文はこちらをご参照ください)

その記事によると、脳の中で楔前部と呼ばれているところは社会意識や共感を呼び起こし、意識、内観、記憶想起に中心的な役割を果たすのですが、あくびはその部分に特有の神経作用をもたらします。また、楔前部はヨガの呼吸によっても刺激され、いろんな形式の瞑想が内観の意識を高めるのに効果的です。そして楔前部は加齢に伴う病気や注意欠陥問題によって最も打撃を受ける部分でもあるので、意図的にあくびをすることによって実際に脳のこの部分を強化することができます。従って、エクササイズ、ストレス解消プログラム、認識促進/記憶力向上トレーニング、心理療法、観想的な精神修行等の中にあくびを取り入れることが有効であることが分かります。また、最近分かってきた楔前部と脳内のミラーニューロン系(他者の気持ちや行動に共感する機能を司る部分)との関わりからあくびをすることは、社会意識、おもいやり、他者との効果的な意思疎通能力を高めるのに役立つのではないかと言われているそうです。

あくびはただ気持ちをリラックスさせてくれて緊張をほぐすだけでなく、即時に認知的意識を高揚させることができ、眠気から脳を覚まして重要な概念や考えに集中し続けやすくしてくれて、意識と自意識をコントロールしてより内観的になり、より自己意識ができるようになります。また、人から人へうつりやすことから周りの他の人たちと動作をシンクロさせやすくするので、いち早く集中力の高まった状態に集団の注意を引きつけるのにも特に有効です。そしてあくびは楔前部を活性化させる以外に脳温度と脳代謝を調整します。意識的に高い覚醒状態を維持するためには神経系エネルギーを大量に必要とするため、あくびをすることによって脳を落ち着かせる役割もあるのです。

つまり、あくびをすると身体も気持ちもリラックスし、頭もすっきりした集中力の高い状態になるので、身体的にも精神的にもより高いパフォーマンスを発揮しやすくなるということなんですね。これから何かに臨もうとする時にあくびをするという発想は矛盾してるような気がして今まで考えつきもしませんでしたが、しくみを知ってなるほどと想いました。そこで私もここ数週間、集中力を高めて良いパフォーマンスを発揮したい時にあえてあくびをしてみるように心がけてみました。おおっぴらにはなかなかできないので確かに難しかったですが、よしいくぞ!と意気込んでいる時ほどあくびをすると変な力みが抜けて頭がとってもすっきりした状態になったように感じました。考えてみれば必要のないところに力が入ってしまっている状態で動くのとリラックスした状態で動くのとでは同じ動作でも使うエネルギーが全然違ってきますから結果も大きく変わってきますよね。後者の状態の方が無駄なエネルギーを費やす必要なく、自分の持っている能力や可動範囲を最大限に発揮して最適な結果を出せるということなります。あくびをした時のセンセーションで伸びるとより気持ちよくすっきりして気持ちも癒され、最善のコンディションでジャイロトニックやジャイロキネシスの効果を味わえることがよく分かりました。

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